富岡製糸場の主な建物
富岡製糸場の主な建物は、下の図で判るように、東繭倉庫(東置繭所)西繭倉庫(西置繭所)繰糸場の三棟がコの字型に配されています。この三棟は2014年の12月に国宝に指定されました。繰糸場は採光を考慮して南向きに建てられています。 ↓クリックすると画像が拡大されます↓
富岡製糸場 東置繭所(ひがしおきまゆしょ)国宝

上の写真は、ほぼ完成している東置繭の南東で、大きな鋸で材木をひいているのが判ります。
大工さんの頭には「ちょんまげ」が有りますね。左側には棟梁らしき人物にも「ちょんまげ」が確認できます。
散髪脱刀令は明治4年8月9日(1871年9月23日)太政官によって出されたましたので、それ以前か、若しくはその近辺の写真でしょう。
富岡製糸場は1871年(明治4年)4月に建設の着工で、1872年(明治5年)7月に完成しています。煉瓦の積み方


富岡製糸場 東置繭所のキーストン

富岡製糸場 礎石

上の写真は甘楽町小幡の連石で御用石の石切り場跡です。(自由に見学できます)
富岡製糸場には繭倉庫が2つ有ります。こちらは東にあるので、東置繭所と呼ばれています。
繭倉庫として使われたのは、2階部分で乾燥させた繭32トン(8,000袋)を保管できました。
現在は繭を作る蚕の飼育は、年4回、春蚕(はるこ)・夏蚕(なつこ)・初秋蚕(しょしゅうこ)・晩秋蚕(ばんしゅうこ)が行なわれ(多い地域では年6回)ます
。富岡周辺で組織する、甘楽富岡養蚕研究会の12軒の養蚕農家では、年間約5トンの繭を生産しています。現在ではいかに少ない生産量化が判ります。
富岡製糸場の創業当時は、春だけの1回しか蚕の飼育は行なわれなかったため、1年間で使用するための繭を春に買い入れ、保管が重要な役割を果たしていました。
富岡製糸場の建物はフランス人のエドモン・オーギュスト・バスチャン(
お雇い外国人として横須賀製鉄所建設に携わる)がメートル法で設計し、実際の建築は日本人の大工が尺貫法に直して造られました。
富岡製糸場 東置繭所の大きさ
長さ104.4m、幅12.3m、高さ14.8m 建築面積 1486.60㎡構造形式 木骨煉瓦造、二階建、北面庇・西面及び南面ヴェランダ付、桟瓦葺(さんかわらぶき)
現在の東置繭所
正門入って正面の煉瓦造の大きな建物が東置繭所です。 正面のアーチを入ると、床面に大きな計量機が有ります。(気がつくかな?)片倉時代には繭を積んだトラックがここで計量されていました。そのまま進めば、広場に出ます。 左右に別れますので、右側は主にお土産品の販売所 と、通常の展示物と映像で富岡製糸場が紹介されています。左側はシルク製品の販売や、座繰りの実演、フランス式繰糸器の実演、その奥は、特別イベント会場となります。 2015年の夏から、空調設備も入りましたので夏冬快適に見学ができます。
下の写真が東置繭所2階の内部です。天井は瓦を支えるための「トラス工法」となっています。中央には棟木まで達する杉の木の通し柱が建ち、変形の「トラス」となっています。 ここに16t(繭袋にして4,000袋)の乾繭が保存されていました。
参考文献・資料:文化庁 国指定文化財等データベース 英語版富岡製糸場パンフレット甘楽町役場HP 韮塚三郎著「韮塚家中興の租 韮塚直二郎.美寧を偲ぶ」
写真提供:富岡市 富岡製糸場